アルティオリ ARTIOLI クロコダイル 財布 修理
表側のクロコダイル革がかなり劣化しています。
折りたたみ部分はざっくりと裂けて穴が開いています。
何とかまた使えるようにならないか?とご相談いただき検品させていただきました。
初見では裏側に充て革をして皮革用パテで補修しつつ、全体の色落ち・劣化部分はパテとペイントを併用して加工すればそれなりのレベルには仕上がるのでは?と考えましてお預かりいたしました。
まずはお品物を傷めないように最善の注意をしながらお財布をばらして行きます。
ばらして見ますと折り曲げ部分だけでは無くいたるところが劣化してきています。
縁の部分は色々切れておりますし、中心部分もかなり穴が大きいです。
皮革用パテで表から裏から補修しながら心材をあてがい補修しましてある程度の仕上がりになった所で強度検査
元々素材が薄手ですので補修剤も薄く加工したせいか折り曲げを繰り返すとパテがわれてしまいます。
そこで補修用にフィルム剤や接着芯等も試して見ますが強度検査で浮いてしまったり、はがれてしまったり。
色々加工してみましたが終着点が見えず正直あせりつつもあの手この手で加工してみましたがいっこうに改善にいたらず・・・・。
そこで、予算超過にはなってしまうのですが、お客様に新しい革での作り変えを提案いたしまして何とかご了承いただきクロコダイル購入
革屋をまわり歩きまして何とか近い色合いのクロコダイルを購入いたしまして。
作業再開です。
クロコの革は1枚買うとかなりのお値段になります。(今回は5万円強)
それでも直すか?という選択が必要になります。
クロコのお腹部分の一番いい所を使いまして表面を取ります。
裏地も傷んでおりましてので新しい物に変えまして作り直します。
かなり精密な作りのお品物ですし鱗目もなるべくあわせたいので、先に穴あけ縫い目を合わせてからへり返し、余分な部分をカットして仕上げました。
浮いた状態で手での切断ですので多少真っ直ぐ行かない部分もありましたが、コバ面も染めつつ色合いも調整
ヘリ部分が劣化していて真っ直ぐではないので苦労しつつも何とか縫いあげまして仕上げました。
見立てどうりに作業できず、かなり苦戦しましたが何とか仕上げることが出来ました。
予算超過してしまいお客様にもご迷惑をおかけしてしまいまして・・・・・
まだまだ修行が足りませんね。
さらに精進出来るようがんばりますm(_ _ )m